寝起きに起き上がると痛いのはなぜ?原因と改善方法を理学療法士が解説【CASE31】

Uncategorized
タケシさん
タケシさん

寝起きに起き上がると腰が痛むんだ

なんでだろう?

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

朝起きるときに痛みがある人って結構おられますよね

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

うん、やっぱり体が動いてくる昼間とは違うね

朝に痛みが出るケースは多いよ

朝起きるときに腰痛が出てしまう――
そんな方のリハビリに関わる機会はありませんか?

「動いているうちに少し楽になるけれど、動き出しがつらい」
このようなケースは臨床でも少なくありません。

起き上がりは毎日の基本動作。
その動作に痛みがあるだけで、生活の質や気持ちにも大きく影響します。

今回は、朝の起き上がり時に腰痛を訴えるケースについて、
観察・評価の視点とサポートの工夫を解説します。

🧩 痛みの部位と動作を確認する

タケシさんの既往歴と主訴

  • 関節リウマチ
  • 朝のこわばりは軽度
  • 腰痛は約1ヶ月前から出現

腰痛は腰部全体を手掌で示す palma signで表現されました。

また、

  • ベッドを0°まで下げると過去に疼痛経験あり
  • 現在は20〜30°挙上で就寝
  • 起き上がりは「一度右側へ寝返ってから」行っている

という状況が確認されました。

🛏 就寝環境の問題点

タケシさんの身長は170cm。

観察すると、

✅ ベッドの可動部が股関節より高い位置にある
✅ 足元のスペースにより徐々に下方へずれやすい
✅ 挙上姿勢で「腰から折れる力」が働く状態

が見られました。

タケシさんはまっすぐ起き上がると疼痛が強いため、一旦右側に寝返ってから起き上がりを行うようにしています。

🔍 痛みの原因を分析する

今回ベッドの可動部分が股関節よりも、かなり高い位置にあります。
この環境からベッドが挙上することによって、腰部から折り曲げられるようになります。
→腰椎屈曲ストレスが増加

また下方にずることでより、ベッドの可動部と股関節の位置に差が生まれてしまいます。
腰椎のみならず、胸椎にも屈曲ストレスが生じる
→胸・腰椎屈曲ストレスが増強

すでに胸腰椎が屈曲している状態で起き上がり行う
→胸腰椎屈曲が過大となり腰痛が生じる可能性がある

という力学的負担が推測されました。

👉 ベッドの可動部と股関節位置のミスマッチ
腰部への負担を高めている可能性を考えました。

🛠 環境調整によるアプローチ

問題点
ベッドの可動部と股関節位置のミスマッチ
足元に空間があり、ベッドを挙上すると下方にずる

上記の問題点から20〜30°挙上する際に、
ベッドの可動部に股関節の位置が近づくことによって、腰部の負担を軽減できると考えました。

対応として、

✔ 足元へ「やや硬めのクッション」を2つ重ねて配置
✔ 介護ベッドのフットボードと足部で軽く圧迫される設定
✔ 以下の3点を必ず確認

  • 体のずれはないか
  • クッションは安定しているか
  • 寝心地・圧迫感は問題ないか

⚠ 調整時の注意点

大きいクッションもあり、下方へのずれに関しては効果が高い物もありました。

しかしクッションを厚くしすぎると、

❌ 腹部圧迫感
❌ 不快感増大

が生じたため微調整を実施。

また、

  • 自力で除圧・寝返り可能
  • 褥瘡リスクは低い

と評価し、この方法を採用しました。

📈 経過

✅ 1週間後:腰痛軽減
✅ 2週間後:起き上がり時の疼痛はほぼ気にならないとの発言あり

実際170cm以上の身長になると標準型のベッドが合わない場合があります。

しっかりベッドの上まで体を上げても、
股関節の位置が、ベッドの可動部とマッチしないこともあるため、注意が必要です。

今回は標準のベッドで何とか過ごしたいとの本人の希望もあり、
標準のベッドで負担が少なくなるように環境調整を行っています。

🧠 このケースからの学び

関節リウマチという現病歴があっても、

👉 すべてを疾患由来と決めつけない
👉 環境・力学的要因も精査する

ことの重要性を再確認しました。

✅ まとめ

今回は、

✔ 朝の起き上がり時の腰痛
✔ ベッド環境との不適合
✔ 環境調整による負担軽減

という流れを解説しました。

疾患の影響を疑うことは重要ですが、
同時に姿勢・環境・動作の視点も忘れないことが大切です。

偏りすぎず評価するバランスが臨床では鍵になります。

🍀体の仕組みから不調を読み解く note 記事はこちら

 痛みや不調って、
『これって大丈夫なのかな…』と不安になったり、
『とりあえず我慢しておこうか…』となりやすいですよね。

それでも…もう少し詳しく知って、自分でケアできるようになりたい!
という方のために、ただの知識ではなく“納得できる理解”を目指した note 記事
をまとめています。

無理なく取り入れられるヒントを中心に書いていますので、
よければ、こちらもチェックしてみてください👇

🔗 関連記事はこちらもおすすめです

起きると腰が痛いのはなぜ?理学療法士が原因と改善方法を解説【CASE2】
起床時の腰痛に着目し、疼痛部位の確認や寝返り動作との関連を評価する視点を整理。ベッド上動作の観察ポイントを深めたい方におすすめです。

寝返りで横腹が痛い原因とは?理学療法士がみるべきポイントを解説【CASE25】
体幹の連動や可動域制限が、起き上がり時の痛みにつながることも。寝返り動作から原因を推測する評価思考を学べる記事です。

横腹が朝に痛むのはどうして?寝起きに出やすい痛みの原因と予防法を紹介
朝に出やすい体の痛みについて、姿勢や筋のこわばりの視点からやさしく解説。一般の方にもわかりやすく、予防のヒントを紹介しています。

最後に(免責)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。

目の前の患者さんへの適応可否は、各自の評価と専門職としての判断に基づいて実施してください。

患者さん一人ひとりで疾患・既往・身体特性が異なるため、記載内容がすべての方に同様の効果をもたらすとは限りません。

本記事を参考にして生じた損害等について、筆者は一切の責任を負いかねます。

あらかじめご了承ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

以上、ユウセイでした。

noteでは、臨床での学びや日常で感じたことも発信しています。ぜひ気軽にご覧ください。

👉 noteで記事を見る

Instagramで最新記事のお知らせをしています!是非フォローをよろしくお願いします。

📸 Instagramをフォローする

コメント