
寝起きに起き上がると腰が痛むんだ
なんでだろう?

朝起きるときに痛みがある人って結構おられますよね

うん、やっぱり体が動いてくる昼間とは違うね
朝に痛みが出るケースは多いよ
朝起きるときに腰痛が出てしまう――
そんな方のリハビリに関わる機会はありませんか?
「動いているうちに少し楽になるけれど、動き出しがつらい」
このようなケースは臨床でも少なくありません。
起き上がりは毎日の基本動作。
その動作に痛みがあるだけで、生活の質や気持ちにも大きく影響します。
今回は、朝の起き上がり時に腰痛を訴えるケースについて、
観察・評価の視点とサポートの工夫を解説します。
本記事の症例は、個人が特定されないよう一部を改変しています。
🧩 痛みの部位と動作を確認する
タケシさんの既往歴と主訴
- 関節リウマチ
- 朝のこわばりは軽度
- 腰痛は約1ヶ月前から出現

腰痛は腰部全体を手掌で示す palma signで表現されました。

また、
- ベッドを0°まで下げると過去に疼痛経験あり
- 現在は20〜30°挙上で就寝
- 起き上がりは「一度右側へ寝返ってから」行っている
という状況が確認されました。


🛏 就寝環境の問題点
タケシさんの身長は170cm。
観察すると、
✅ ベッドの可動部が股関節より高い位置にある
✅ 足元のスペースにより徐々に下方へずれやすい
✅ 挙上姿勢で「腰から折れる力」が働く状態
が見られました。

タケシさんはまっすぐ起き上がると疼痛が強いため、一旦右側に寝返ってから起き上がりを行うようにしています。
🔍 痛みの原因を分析する
今回ベッドの可動部分が股関節よりも、かなり高い位置にあります。
この環境からベッドが挙上することによって、腰部から折り曲げられるようになります。
→腰椎屈曲ストレスが増加
また下方にずれることでより、ベッドの可動部と股関節の位置に差が生まれてしまいます。
腰椎のみならず、胸椎にも屈曲ストレスが生じる
→胸・腰椎屈曲ストレスが増強

すでに胸腰椎が屈曲している状態で起き上がり行う
→胸腰椎屈曲が過大となり腰痛が生じる可能性がある
という力学的負担が推測されました。

👉 ベッドの可動部と股関節位置のミスマッチが
腰部への負担を高めている可能性を考えました。
🛠 環境調整によるアプローチ
問題点
・ベッドの可動部と股関節位置のミスマッチ
・足元に空間があり、ベッドを挙上すると下方にずれる
上記の問題点から20〜30°挙上する際に、
ベッドの可動部に股関節の位置が近づくことによって、腰部の負担を軽減できると考えました。
対応として、
✔ 足元へ「やや硬めのクッション」を2つ重ねて配置
✔ 介護ベッドのフットボードと足部で軽く圧迫される設定
✔ 以下の3点を必ず確認
- 体のずれはないか
- クッションは安定しているか
- 寝心地・圧迫感は問題ないか

⚠ 調整時の注意点
大きいクッションもあり、下方へのずれに関しては効果が高い物もありました。
しかしクッションを厚くしすぎると、
❌ 腹部圧迫感
❌ 不快感増大
が生じたため微調整を実施。
また、
- 自力で除圧・寝返り可能
- 褥瘡リスクは低い
と評価し、この方法を採用しました。
📈 経過
対応後、徐々に腰痛が軽減し、起き上がり時の疼痛もほぼ気にならなくなったとの発言があり。
実際170cm以上の身長になると標準型のベッドが合わない場合があります。
しっかりベッドの上まで体を上げても、
股関節の位置が、ベッドの可動部とマッチしないこともあるため、注意が必要です。
今回は標準のベッドで何とか過ごしたいとの本人の希望もあり、
標準のベッドで負担が少なくなるように環境調整を行っています。
🧠 このケースからの学び
関節リウマチという現病歴があっても、
👉 すべてを疾患由来と決めつけない
👉 環境・力学的要因も精査する
ことの重要性を再確認しました。
なお、関節リウマチの症状に変化(痛みの増悪、新たな関節症状、腫れ・熱感など)がある場合は、
自己判断で環境調整のみに頼らず、主治医・かかりつけ医にご相談ください。
✅ まとめ

今回は、
✔ 朝の起き上がり時の腰痛
✔ ベッド環境との不適合
✔ 環境調整による負担軽減
という流れを解説しました。
疾患の影響を疑うことは重要ですが、
同時に姿勢・環境・動作の視点も忘れないことが大切です。
偏りすぎず評価するバランスが臨床では鍵になります。
最後に(免責)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。
目の前の患者さんへの適応可否は、各自の評価と専門職としての判断に基づいて実施してください。
患者さん一人ひとりで疾患・既往・身体特性が異なるため、記載内容がすべての方に同様の効果をもたらすとは限りません。
本記事を参考にして生じた損害等について、筆者は一切の責任を負いかねます。
あらかじめご了承ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
以上、理学療法士 ユウセイでした。


コメント