
歩くと右足が出しにくい!
筋力がないのかしら?

この訴えもたくさん聞くでな

右足に問題がありそうですかね?
筋力低下とか!

それが一概にそうともいえんで
一緒に評価してみよう
「足が思うように前に出ない…」
そんな歩行の悩みを抱えている方は少なくありません。
一歩が出にくいだけで、移動のたびにストレスや不安を感じてしまいます。
しかし、その動きが改善したときの感動は、何よりも大きなものです。
今回は、歩行中に足が振り出しにくい方に対して、理学療法士の視点から原因の考え方と対応方法を解説します。
歩行時の体重移動に問題はないかを確認する
足底接地のポイントに注目する
重心移動を整えるリハビリアプローチ
歩行時の体重移動に問題はないかを確認する
どちらの下肢に体重が乗っているか評価します。
簡便な方法は、左右の踵を交互に上げる事です。
踵を上げた際に、重心が大きく移動した支持側の下肢に体重が乗りにくいです。

ハナさんの評価
左右への体重移動検査
右>左
ハナさんは左下肢に体重が乗りにくい
足底接地のポイントに注目する
体重が乗りにくい左下肢に対し、感覚を促通します。
感覚を促通する場所は、母趾球・小趾球・踵です。
この3点で体重を支える意識をもってもらいます。
タオル等でこの3点を擦って刺激しても良いです。
皮膚が弱い方には指で刺激します。
どちらにせよ疼痛がないように配慮します。


座位で体幹前傾していき、母趾球・小趾球・踵に体重が乗るか確認しよう

立ち上がりの際にも、この3点に体重を乗せるんですね!
母趾球、小趾球、踵で体重を支える
重心移動を整えるリハビリアプローチ
足底の感覚を促通したら、立位で訓練をします。
体幹の代償を出さない
骨盤を壁などの目標物に近づけます。
その場合体幹の代償が入りにくくなります。


恐怖心があれば、支持物を触りながらでも良いで
立脚中期~立脚後期の体重移動
歩行の立脚中期~後期にかけては、踵から前足部へ、体重が移動します。

足底の3点の感覚を養った事で、重心が移動するのを感じやすくなります。
壁に背中をつけたり離したりします。
その際に踵・前足部に体重が乗っていく感覚を養います。

背中ではなく、骨盤と言った方が分かりやすい方もいます。
骨盤前傾し、疼痛が出ていないか確認します。

立脚中期〜後期は体重が前方に移動する
その感覚に気づくための訓練だね
体重移動は、身体部位と目標物を設定する
踵→小趾球→母趾球の体重移動を意識する
ステップを出す!
踵から前足部に体重が移動する意識で、立脚をコントロールしてもらいます。
その際に右下肢の踵が浮く反応が出ました。
踵が浮いて来たらステップすると、右下肢の出しにくさが改善しました。


最初は軽くなったら振り出してもらう
慣れたら無意識に歩いてもらうよ

右足が軽くなる感じが分かったわ
てっきり右足が悪いと思ってた
左下肢で体重支持できると、右下肢が軽くなる
軽くなったら振り出す!口頭指示はシンプルに!
まとめ

今回は足を振り出しにくい方への対応を解説しました。
治療の考え方としては以下の通りです。
歩行時の体重移動に問題はないかを確認する
足底接地のポイントに注目する
重心移動を整えるリハビリアプローチ
下肢を振り出せない時に、出しにくい側の下肢が原因であると考えてしまいがちです。
しかし体重が乗りきらない場合に、振り出そうとすると非常に難しくなります。
この記事が参考になると嬉しいです!
歩行の違和感や足の出しづらさは、姿勢や体幹・足部の働きが関係していることもあります。
以下の記事も参考に、評価とアプローチの視野を広げてみましょう。
✅ 歩くときに右足が擦るのはなぜ?理学療法士が歩容の改善ポイントを解説【CASE10】
✅ 歩行時の殿部のだるさ・痛みの原因は?理学療法士が徹底解説【CASE20】
✅ ふくらはぎが痛くて歩けないのはなぜ?原因と改善方法を理学療法士が解説【CASE13】
最後に
この記事を参考にされる際は、目の前の患者さんに、紹介した評価・治療が適応できるか、判断して頂いたうえで、使用して頂ければ幸いです。
患者さん一人一人、疾患、既往歴、身体的特徴等異なります。
そのため、今回ご紹介した治療は、万人に対して、再現性を担保できるものではありません。
それらを踏まえた上で、参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
以上、ユウセイでした。

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