腰が痛いのは歳のせい?理学療法士が姿勢から読み解く原因と改善策を解説【CASE7】

医療者向け
ハナさん
ハナさん

もう歳ね

腰が痛いわ

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

年齢を重ねてくれば仕方ないですかね

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

そういう場合もあると思うな

でも工夫次第で、何とかなることもある

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

そうなんですか!?

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

相手は半分どうしようもないって、思ってる事も多い

だから良くなった時は、すごく喜んでくれるよ

高齢になるほど、腰痛を「もう治らないもの」とあきらめてしまう方は少なくありません。
たしかに加齢によって脊柱の変化が起こり、若い頃よりも腰に負担がかかりやすくなることはあります。

しかし、姿勢や動作のクセを丁寧に見直すことで、痛みが軽減していくケースは多く見られます。

今回は、座っていると腰が痛くなる方に対して、どのような視点で原因を整理し、どんなケアにつなげるかを紹介します。

  1. 座っていると腰が痛くなるのはなぜ?まずは痛みの出方を整理する
    1. 寝返りや起き上がりでは痛くないのに、座位で痛む理由
    2. 痛みが増す動作を確認して“座位の問題”を把握する
  2. 姿勢を観察して原因を探る|猫背と筋の働きの関係
    1. 胸椎・腰椎の後弯と骨盤後傾がもたらす負担
    2. 猫背で働きにくくなる多裂筋・最長筋と、過活動になりやすい腸肋筋
    3. 循環の低下が“重だるい痛み”につながる理由
  3. 姿勢を整えるときの注意点|腰を反らせすぎないことが大切
    1. よくある「いい姿勢」の落とし穴
    2. 胸骨柄を目標にすることで、過前弯を避けながら姿勢を整える
    3. 本人が“楽な姿勢”を実感できることが重要
  4. 背筋を自然に働かせるための軽い前傾運動
    1. 最長筋・多裂筋を使いやすくするための誘導
    2. 回数は少なく、痛みのない範囲で行うコツ
  5. 負荷量の調整が改善のカギ|無理なく続けるためのポイント
    1. 普段使えていない筋肉には過負荷が禁物
    2. 良い反応が出ている時ほど“やり過ぎ注意”の理由
  6. 自主訓練で効果を安定させる|“楽な姿勢”を再現する練習
    1. 胸骨柄を触れて姿勢を整える感覚を身につける
    2. 日中の“気づいた時のリセット”が姿勢改善につながる
    3. 腰への負担を減らすための日常的な工夫
  7. まとめ|姿勢の理解が腰痛の軽減につながる
    1. おすすめ書籍
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    3. 最後に(免責)

座っていると腰が痛くなるのはなぜ?まずは痛みの出方を整理する

寝返りや起き上がりでは痛くないのに、座位で痛む理由

ご相談いただいたハナさんは、

ハナさん
ハナさん
  • 寝ている時は痛みなし
  • 起き上がりも問題なし
  • 座ると腰が重だるく痛む
  • 前におじぎをすると痛みが増す

という特徴がありました。

まずは椎間板性の痛みが疑われるかどうかを軽くチェックしましたが、
神経症状の所見はなく、椎間板由来の可能性は低いと考えました。
※SLRで神経症状なし

痛みが増す動作を確認して“座位の問題”を把握する

座位での痛みが強く、前屈で重だるさが増すことから、
座った姿勢そのものが腰に負担をかけている可能性が高いと整理します。

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

座っている姿勢が、負担になっていそうですね

姿勢を観察して原因を探る|猫背と筋の働きの関係

胸椎・腰椎の後弯と骨盤後傾がもたらす負担

姿勢を拝見すると、

  • 胸椎・腰椎の後弯
  • 骨盤の後傾
  • 全体的に猫背

という特徴がありました。

猫背が続くと背骨を支える多裂筋・最長筋が伸びた状態になり、働きにくくなります。

猫背で働きにくくなる多裂筋・最長筋と、過活動になりやすい腸肋筋

筋肉は適度な長さで働くことで本来の力を発揮できます。
しかし猫背では、

  • 多裂筋・最長筋が伸びっぱなしで弱くなる
  • 腸肋筋など二関節筋が代わりに働きすぎる

という状態になりやすいと言われています。

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

普段から猫背だと胸・腰椎を前弯させる筋肉は弱化してしまう

ハナさん
ハナさん

普段から猫背なのが良くなかったのね

循環の低下が“重だるい痛み”につながる理由

筋肉が働きにくく、過度に伸張され続けると循環が低下し、
腰の重だるさや鈍い痛みに結びつきやすくなります。

姿勢を整えるときの注意点|腰を反らせすぎないことが大切

問題点

胸腰椎の後弯により腸肋筋の過活動が生じている可能性がある

猫背により腰部の筋肉の循環が低下している可能性がある

上記の問題点に対してケアを行っていきます。

その為胸・腰椎後弯、骨盤後傾を修正します。

よくある「いい姿勢」の落とし穴

人によっては姿勢を良くしようとすると、
腰椎が過剰に反ってしまい、かえって負担が増すことがあります。

胸骨柄を目標にすることで、過前弯を避けながら姿勢を整える

そこで、胸骨柄(胸の上の骨)を触れながら
「頭を軽く前に倒しつつ、天井へ近づけるようなイメージ」
で姿勢を整えていただきました。

これにより、

  • 腰が反りすぎない
  • 背骨が自然に伸びる
  • 胸椎の伸展が入りやすい

という効果が期待できます。

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

姿勢を良くしてください!と伝えると腰椎が過前弯することが多いよ

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

なるほど

指示が漠然とするんですね

本人が“楽な姿勢”を実感できることが重要

姿勢を整えてもらうと、

「さっきより腰が楽になった気がする」

という感想をいただきました。
本人が“楽だ”と感じた姿勢を覚えてもらうことが、改善の第一歩になります。

姿勢の修正に伴い、腸肋筋の負担が軽減したと考えます。

ハナさん
ハナさん

さっきより腰の重だるさが楽になった気がするわ

もちろんまだ重だるさはあるけど、、

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

いい感じ

楽になる姿勢を覚えていこう

背筋を自然に働かせるための軽い前傾運動

最長筋・多裂筋を使いやすくするための誘導

姿勢が整った状態で、座位のまま軽く体幹を前に倒すと、
自然と多裂筋・最長筋が働きやすくなります。

痛みのない範囲で、前傾を3回ほど実施しました。

回数は少なく、痛みのない範囲で行うコツ

ここで注意したいのは、 やりすぎないこと。

普段使えていない筋肉は急に負荷をかけると疲労しやすく、
翌日の痛みにつながることもあります。

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

重だるさが残ってますけど良いんですか?

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

焦って運動量が増えれば、その分負担が増す

普段動いていない筋肉を動かすから、気を付けて治療しよう

負荷量の調整が改善のカギ|無理なく続けるためのポイント

普段使えていない筋肉には過負荷が禁物

治療中に反応が良いと、つい負荷量を増やしがちです。
しかし、過度に負荷をかけると筋疲労や代償動作が出やすくなります。

良い反応が出ている時ほど“やり過ぎ注意”の理由

痛みは急に出たものではなく、長期間のクセによるものです。
改善もゆっくり段階的に進めることが大切です。

良い反応が得られている時は、方向性は間違っていない場合が多いです。
昨日・今日で疼痛が出たわけでは無いので、徐々に改善させましょう。

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

なるほど!やっぱり負荷量の調整って難しい

自主訓練で効果を安定させる|“楽な姿勢”を再現する練習

胸骨柄を触れて姿勢を整える感覚を身につける

治療後、再現性を高めるために、

  1. 一度わざと猫背に戻る
  2. もう一度「楽だった姿勢」に戻してみる

という練習を行いました。

日中の“気づいた時のリセット”が姿勢改善につながる

日常生活でも、気づいたときに胸骨柄を指で触れながら
姿勢を整えていただくようお願いしました。

ハナさん
ハナさん

胸をはるようにすると楽になりやすいね

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

軽く胸を張ると、ハナさんは楽な姿勢にもっていきやすい

基本の動きは伝えるけど、本人が楽になる感覚も大事にしよう!

腰への負担を減らすための日常的な工夫

こうした小さな積み重ねが、
座位の安定と腰痛の軽減につながります。

これを自主練習として1週間後確認し、
症状の改善を確認しました。

まとめ|姿勢の理解が腰痛の軽減につながる

今回のポイントは以下の通りです。

  • 猫背は多裂筋・最長筋を弱くし、腸肋筋に負担が集中しやすい
  • 姿勢を整えるときは「いい姿勢」よりも 胸骨柄を天井に近づける
  • “楽な姿勢”を自分で再現できることが改善のカギ
  • 動かしていなかった筋肉に無理をさせない
  • 日常の中でこまめにリセットする習慣が効果を高める

姿勢を丁寧に見直すことで、
座っていると出る腰痛が軽減していくケースは多くあります。

この記事が、日々のケアのヒントになれば嬉しいです。

おすすめ書籍

腰痛の種類を理解すると、疼痛の出現の仕方から大まかな方針を立てやすくなります。

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腰痛の症例で悩んでいる先生方や学生の方はもちろん、「腰痛についてより深く理解したい」と考えている方にも参考になる内容だと感じました。

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※本記事で紹介した書籍は、筆者の個人的な感想・経験に基づくものであり、すべての方に同様の理解や効果を保証するものではありません。

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最後に(免責)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。

目の前の患者さんへの適応可否は、各自の評価と専門職としての判断に基づいて実施してください。

患者さん一人ひとりで疾患・既往・身体特性が異なるため、記載内容がすべての方に同様の効果をもたらすとは限りません。

本記事を参考にして生じた損害等について、筆者は一切の責任を負いかねます。

あらかじめご了承ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

以上、ユウセイでした。

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