こんにちは、ユウセイです。
理学療法士として、病院・施設・在宅と関わりを持ち、経験も10年以上になりました。
今は理学療法士としての治療と、考え方を日々発信しています!

ご飯を食べる時に、むせてしまうんだよね
なんでかな?

嚥下を行う筋肉が、弱ってしまったんですかね?

それもあるかもしれないね
でも、本当にそれだけか、確認してみよう!
食事は生活していて、満足度を感じる動作の一つです。
しかし、むせで食事の形態が変わったり、食事を思うように、出来ない事で、生活の満足度が下がる事があります。
今回は主に車椅子で、生活しており、食事中むせてしまうケースへの、対応を詳しく解説していきます。
症状を確認する
テストで仮説を立てる
車椅子座位を確認しよう
症状を確認する
タケシさんの症状
車椅子での食事中、水、食べ物共にむせる
脳出血の既往あり
右麻痺:ブルンストロームステージ 上肢Ⅴ 下肢Ⅳ手指V
嚥下の問題を整理する

端座位は猫背であり、胸腰椎後弯、骨盤後傾、頭部は軽度伸展・前方偏位しています。
嚥下は先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期とあります。
タケシさんは認知機能の問題ありませんでした。
更に咀嚼、咽頭への食塊の送り込みも問題ありませんでした。
咽頭期の嚥下反射に問題がないか評価しました。
端座位で猫背姿勢が確認される
認知機能の低下はない
咽頭期の問題を仮定
テストで仮説を立てる
端座位で顎を引く動作、反復唾液飲みテスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)¹⁾を確認し問題無く行えました。

反復唾液飲みテスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)
まず,口腔内を水または氷水で少し湿らした後,空嚥下を指示して嚥下運動が可能かどうかを観察する。次に空嚥下を反復するように指示し,30病患に何回の嚥下運動ができるかを数える。30秒間に2回以下を以上と判定する。¹⁾
車椅子座位では、猫背が強まり、更に胸腰椎後弯、骨盤後傾、頭部前方偏位し、顎が突き出るような姿勢となりました。

車椅子座位では、顎を引いてもらおうとすると、顎を引きづらくなりました。
唾も飲み込みにくくなったとのことであったため、反復唾液飲みテスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)は誤嚥の危険性があるため一回で終了としました。
端座位では嚥下の問題が生じにくい
車椅子に座ると嚥下に問題が生じる
1)日本耳鼻咽頭科学会編.嚥下障害ガイドライン.金原出版株式会社,2018,p16.
車椅子座位を確認しよう
車椅子に座ると姿勢が悪化し、頭部の屈曲が出しづらくなりました。
その為嚥下が、困難になっていると考えられました。

野原らは頭頚部伸展位では咽頭腔が広くなるため、嚥下圧が低下しやすく、誤嚥しやすい姿勢²⁾と述べています。
真鍋らは加齢や運動障害に伴い,骨盤が後傾し,それが脊柱後弯に繋がり,座位バランスをとるため頭頚部が後屈位や突き出し位となっているクライアントをよく見かける.このアライメントでは前頚部が引き伸ばされるため舌骨上下筋群の運動性が阻害かれ嚥下時の舌骨・喉頭挙上は妨げられる³⁾.と述べています。
上記の知見から頭部が伸展・前方偏位方向に誘導され、嚥下が困難になっていると考えられます。
頭部が伸展・前方偏位する理由として、胸腰椎後弯、骨盤後傾が理由として挙げられます。
タケシさんの場合、車椅子のフットレストの位置が高く、股関節よりも膝の位置が、高くなっていました。

その為骨盤後傾し、胸腰椎後弯が生じ、頭部が伸展・前方偏位したと考えられます。
更に料理を食べようとすると、より上記の兆候が強まると考えられます。

しかしフットレストの位置を、修正できる車椅子もありますが、タケシさんの車椅子は出来ないものでした。
その為フットレストを外して、床面に足を着いて、姿勢を確認しました。
その結果膝関節の位置が、下がったことにより、骨盤後傾・胸腰椎後弯が緩和しました。

その姿勢で再度顎を引く動作と反復唾液飲みテスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)を実施しました。
その結果頭頚部屈曲、唾を飲みこむ感覚も改善しました。
その為改善した姿勢で、食事をとってもらうこととしました。
幸いにもタケシさんは、足が届きましたが、届かない場合は、台などを使っても良いかもしれません。
1週間後に訪問し、食事の際のむせが改善したと、報告を受けることができました。
頭部伸展・前方偏位により誤嚥しやすくなる
骨盤後傾すると、胸腰椎後弯・頭部の伸展・前方偏位が強まる
フットレストが高く、骨盤が後傾する
まとめ

車椅子で生活している方で、食事中むせてしまうケースへの、対応を詳しく解説していきました。
治療の手順としては以下の通りとなります。
症状を確認する
テストで仮説を立てる
車椅子座位を確認しよう
理由を突き詰めていけば、かなりシンプルな要因により、問題が解決しました。
しかしフットレストに、下肢を乗せたまま、食事する風景は、決して少なくありません。
見慣れた風景になると、案外気づくことが出来ません。
専門職としては見逃さないように、筆者も用心していきたいと考えます。
おすすめ書籍
今回治療の手順を、考えるうえで、非常に参考になった書籍が、ありますので、ご紹介いたします。
看護師・理学療法士が、共同で執筆した書籍になります。
現場で見過ごされやすい問題に対して、丁寧に解説してあります。
写真が多く、非常に読みやすいと感じます。
特にベッド上だけではなく、車椅子でのポジショニングにも焦点を当てて頂けている点は非常に参考になります。
車椅子のポジショニング苦手だな~と、感じる方にも、おすすめできる書籍になりますので、是非手にとっていただけると幸いです。
最後に
この記事を参考にされる際は、目の前の患者さんに、紹介した評価・治療が適応できるか、判断して頂いたうえで、使用して頂ければ幸いです。
患者さん一人一人、疾患、既往歴、身体的特徴等異なります。
そのため、今回ご紹介した治療は、万人に対して、再現性を担保できるものではありません。
それらを踏まえた上で、参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
以上、ユウセイでした。

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