難関!ケースノートってどう書けばいい?

実習

こんにちは、ユウセイです。

理学療法士として病院・施設・在宅と関わりを持ち、経験も10年以上になりました。

今はその経験を活かして理学療法士としての治療と考え方を日々発信しています!

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

ケースノートって何って感じる学生さんも少なくないかもしれませんね。

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

そうだなぁ。

今まで指導を担当してきた学生でも、ケースノートを作ったことがない事があったなぁ。

ケースノートは、実習の根幹になる提出物になります。

最も重要であり、評価に関わる部分になります。

今回はケースノートについて解説していきたいと思います。

この記事でわかること

ケースノートってなに?

ケースノートの作り方

ケースノートってなに?

ケースノートとは担当している患者さんの身体的状況、精神的状況を日々細かく分析し評価をしていくためのものです。

細かく評価ができればその問題点に対して治療を考案する事ができます。

その評価治療の過程を指導してもらうことによって、現場で必要な分析力思考力を育んでいくことになります。

そのため最も重要な課題であるとともに難しい課題でもあります。

この課題をつなぎ合わせてまとめたものが評価レポートと呼ばれます。

知っておきたいSOAP法

聞き馴染みのない方もおられるかもしれません。

しかし現場では当たり前のように使う方法です。以下に詳しく解説していきます。

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

ちょっと知っとく程度で良いから聞いといてな。

SOAP法の略語の意味

S(主観的情報)

患者さんの発言など 例)腰が痛い

O(客観的情報)

体温、血圧、形態測定、理学療法評価など

A (評価)    

SとOを結びつけてS)の原因を考える

P(計画)    

S〜Aを踏まえてどのような評価・治療の方針を決める

毎度SOAP法の記録を溜めていくものがケースノートです。

これを毎日繰り返していくとレポートが出来ます。

最初は難しいと感じるかもしれません。

筆者も最初はなんのこっちゃという感じでしたが、徐々に慣れてくると当たり前になってきます。

就職後もSOAP法でカルテの記載を行いますので覚えておくといいでしょう。

評価・治療の裏付けをとる

自分の意見に根拠を持たせたい時は書籍、論文の引用を行います。

そうすることによって自分の評価・治療の裏付けが出来ます。

自分の推論に近い論文、書籍の内容を引用することによって説得力をもたせましょう。

実習先でエビデンス(科学的根拠)を求められた際にも役立ちます。

引用した際には参考文献の記載を行いましょう。

図書の場合

1)著書名.書名.版表示,出版者,出版年,引用したページ

例 ユウセイ.リハビリ学. コツリハ書店,1990,125p.

論文雑誌の場合

2) 著者名.記事タイトル.雑誌名.出版年,巻数(号数)引用したはじめのページから終わりのページ.

例 ユウセイ.今後のリハビリについて.コツリハ雑誌,1990,101-102

実際の記載方法

例 〇〇筋が筋力低下し、立ち上がりが困難になっていると考えられる。

ユウセイらも〇〇筋が筋力低下すると低下していない群とを比較し、低下している郡の立ち上がり動作が困難になると述べている¹)

参考文献:1)ユウセイ.リハビリ学. コツリハ書店,1990,125p.

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

理学療法士が発表した論文を見ると、一番最後に参考文献の記載があるから参考にしてみてな。

自分の評価・治療の根拠を示すために書籍・論文を活用しよう

ケースノートの作り方

実際に担当患者(たけしさん)のケースノートを作っていきましょう。

◯月✕日

たけし(仮名)
たけし(仮名)

今日は左に寝返る時に腰が痛みますね。

◯月✕日たけしさんの評価内容

評価結果

  • 体温36.5、血圧115/68 脈75 SPO298
  • 右股関節屈曲可動域30度
  • VAS8(腰部の疼痛)
  • 触診にて脊柱起立筋緊張亢進
  • 左側へ寝返りの際に右足でベッドを蹴るような動作を確認。
1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

たけしさんのSを聞いて上でOを確認しました。

ここからSとOを結びつけてAを考えます。

SOAP法
◯月◯日 たけしさん
S:主観的情報

今日は寝返る時腰が痛い

O:客観的情報

体温36.5、血圧115/68 脈75 SPO298

関節可動域評価
右股関節屈曲可動域30度

疼痛検査
VAS8(右腰部の疼痛)

筋力検査
体幹屈曲・回旋MMT2

触診検査
触診にて脊柱起立筋緊張亢進

動作観察
左側へ寝返りの際に右足でベッドを蹴るような動作を確認。

A:評価
股関節の屈曲可動域の制限にて股関節、膝関節を伸展した足関節底屈しベッドを足底で蹴るように寝返りをする傾向がある。

前述した動作は立膝をとった時と比較し、股関節から足関節までの距離が長くなるため下肢を動かすためには必要な筋力は増加する傾向にある。

しかし体幹屈筋・回旋筋の筋力低下により、寝返りに必要な回旋を生み出すことができない。

その代償として右足でベットを蹴るとともに、脊柱起立筋の収縮を用いて必要な回旋を生み出していると考えられる。

触診にて脊柱起立筋の緊張が亢進していたのはそのためであるとと考えられる。

しかし青木らは腰椎の椎間関節は構造上回旋運動はほとんど生じないと述べている¹)。

そのため腰部の負担が増加し疼痛が生じていると考えられる。

P:計画

1.右股関節の関節可動域訓練(屈曲方向)

2.介助によるヘッドアップ※ 腹筋(腹直筋、腹斜筋、腹横筋を対象)
※枕から頭を持ち上げること。

3.1.2を実施した後に立膝に近づけた状態から動作指導を行う。

4.治療後のVAS評価、動作観察の評価を行う。

参考文献
1)青木隆明.改訂第2版運動療法のための機能解剖学的触診技術. 株式会社メディカルビュー社,2012,p295.
BOSS
BOSS

また後日同じようにS→O→A→Pを繰り返す。

相手の状況を確認して評価・治療を修正していくで。

まとめ

今回はケースノートの作り方について解説しました。

ケースノートは実習で最も重要で難易度の高い提出物です。

しかしこのケースノートを書くことで得られるSOAP法、分析力は就職した後も必ず役立つスキルになります。

特に実習1年目の時には、学生の時にいかに実習で分析してきたかが問われます。

目の前の患者さんを喜ばせることが出来るように、ぜひケースノートを頑張ってください。

ケースノートの書く手順は以下のとおりです。

SOAP法の略語の意味

S(主観的情報)

患者さんの発言など 例)腰が痛い

O(客観的情報)

体温、血圧、形態測定、理学療法評価など

A (評価)    

SとOを結びつけてS)の原因を考える

P(計画)   

 S〜Aを踏まえてどのような評価・治療の方針を決める

慣れるまでに時間がかかりますが、就職してからもカルテを記載する際にもSOAP法で実施することが多いです。

学生のうちにこの考え方に慣れておくと後が楽ですよ。

最後に

今回ケースノートの基本的な作成方法をご紹介しましたが、実習先によって求められる書式・形式が違う可能性があります。

その場合は実習先の指導される先生に合わせて書類作成をお願いします。

この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

以上、ユウセイでした。

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