
歩く時に右足が、つまずきそうになるんだ

歩く時に足が、擦る方多いですよね
股関節屈曲する訓練がいいですかね?

それだけだと上手くいかない事もあるよ
一緒に評価しよう!
歩行中、足が擦るような動きが気になる方はいませんか?
特に遊脚期(足を前に出すタイミング)で足がうまく持ち上がらず、床を擦ってしまうと、つまずきや歩きにくさにつながりやすくなります。
このような歩き方が続くと、転倒のリスクや外出の不安感にもつながるため、早めの対応が重要です。
今回は、歩行中に足が擦ってしまう方に対して、理学療法士の視点から原因の見極め方と改善のアプローチを解説します。
右足が擦る原因となる体重移動の癖をチェックする
骨盤と肩甲骨の連動が歩容に与える影響を確認する
歩き方を改善するためのリハビリアプローチを行う
右足が擦る原因となる体重移動の癖をチェックする
タケシさんの既往歴
左人工股関節全置換術
変形性脊柱側弯症
擦ってしまう原因として、立脚側の支持が不十分な事が多いです。
その為重心移動を簡易的にチェックします。
左右の踵を交互に上げてもらいます。
体重移動が大きい下肢側が、日頃から体重が乗りにくいと判断します。

結果
左踵上げやすく、右踵が上がらない
左下肢に体重を乗せる事が、困難であると考えます。
また右踵を上げる際に、体幹が大きく左側屈してきます。

側屈する事で体重を乗せようとしています。
しかし側屈させた体重の乗せ方は重心が右下肢に残りやすい為、右踵が上がりにくくなります。
体幹が側屈する重心移動には注意
骨盤と肩甲骨の連動が歩容に与える影響を確認する
歩行時は、支持側の骨盤が挙上し、肩甲骨も挙上するのが一般的です。

中殿筋は体重を支える為に、遠心性収縮にて筋力を発揮する必要があります。
また肩甲骨が挙上し、体幹伸張を図る事ができると体重移動を円滑にします。
しかしタケシさんは体幹が左側屈し、体重移動が妨げられます。
その為右下肢に体重が残ったまま、右下肢を振り出す為、擦ると考えられます。
左股関節に手術歴がある方は、筋力に左右差が生じ側屈が出やすくなります。
見逃さないようにしていきたいですね。
歩行時は支持側の骨盤が挙上し、肩甲骨も挙上する
股関節外転筋の弱化で、側屈する場合がある
歩き方を改善するためのリハビリアプローチを行う
左下肢に適切に体重移動を行っていきます。
その際に目標物に対し、骨盤を近づけます。
また体幹側屈し、肩甲骨が下制していても気づく事ができていません。
その為鏡やセラピストの接触によって、肩甲骨の挙上を促します。

最初は口頭で説明通りに動かす事だけでも精一杯でした。
しかし繰り返すと、徐々に左下肢への体重移動が円滑になりました。
左下肢に体重を乗せた時、右膝が勝手に曲がるとの発言がありました。
そこで右下肢でステップを出してもらうと軽く出せました。
右下肢を軽く出す感覚を覚えてもらい、無理のない範囲で反復しました。
立脚中期〜後期の訓練として、骨盤の誘導を横から左斜め前へ誘導します。
その際に左前足部に体重が乗るように、意識してもらいました。

この訓練により更に右下肢が、振り出しやすくなりました。
歩行時の体重移動は、踵から母趾へと抜けていきます。
そこで最終的に母趾に体重が乗っていくように、口頭指示を行いました。
右足が軽く振り出せる感覚を養った結果、右下肢を擦らずに歩行できました。
立脚中期では骨盤は真横に誘導する
立脚後期では斜め前へ誘導する
最終的に体重は母趾に抜けていく
まとめ

今回は歩行中に下肢が擦り、悩む方への対応を解説しました。
治療の手順は、以下の通りになります。
手術の既往歴、脊柱変形でも適切な体重移動が妨げられる事があります。
私達は新しく適切な感覚を患者さんに伝える事で、動作を変えられる可能性を持っています。
治療内容・提案はその都度工夫していく必要がありますが、この記事が皆様の一助になれば幸いです。
右足が擦れてしまう原因には、姿勢や筋力のアンバランス、体の使い方のクセが関係していることがあります。
似たような歩行時の違和感がある方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください!
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最後に
この記事を参考にされる際は、目の前の患者さんに、紹介した評価・治療が適応できるか、判断して頂いたうえで、使用して頂ければ幸いです。
患者さん一人一人、疾患、既往歴、身体的特徴等異なります。
そのため、今回ご紹介した治療は、万人に対して、再現性を担保できるものではありません。
それらを踏まえた上で、参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
以上、ユウセイでした。

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