こんにちは、ユウセイです。
理学療法士として病院・施設・在宅と関わりを持ち、経験も10年以上になりました。
今はその経験を活かして理学療法士としての治療と考え方を日々発信しています!
今回は寝返りの動作を観察するときに見るべきポイントについて解説します。
ケースノートで記載を行う際に評価として動作観察を行います。
その際は動作を見たまま書き言葉で記載します。
動作分析は動作観察の動きがなぜ起きているのか、他の客観的評価を交えて考えていきます。
動作観察の際に見るポイントがわかると、どこを評価すればよくどう治療につなげていくのか、目星をつけることが可能になります。
寝返りを分析していくために、必要なステップは以下の通りになります。
股関節の動きを見ることで寝返りを分析できる
股関節の動き方を理解する
股関節には6種類の動きがあります。
この動きを覚えることで、股関節のどの方向に問題があるのかを推察することができます。
とても大事な動きですので、覚えておくと良いでしょう。
負担の少ない寝返りを考える
負担の少ない動きを考えるにあたり、重要なポイントは寝返りの運動方向に対して、股関節が追従しているかが重要になっていきます。
つまり左に寝返りを行う場合は、右の股関節は屈曲、内転、外旋方向に動いていくことが必要になります。
この動きが出ることによって、左側への寝返りを行うために必要な下肢、下部体幹の動きを出すことができます。
下肢は上肢に比べて長く、太い骨であるため、重量も重たい傾向にあります。
股関節が寝返りの方向に動くことができれば、自然と寝返りを行いやすくなるでしょう。
股関節の動きが寝返り方向に追従しているか確認する
問題の動きとして多いのが、股関節が屈曲、内転、外旋しない場合です。
このような動きになった時はぜひピンとくるようにしましょう。上図の場合寝返りを確認するとベッドを足で蹴っています。
これは股関節伸展方向の動きが強まっています。寝返りの方向に股関節の運動が追従していませんね。
ここは見逃さないようにしましょう。
しかし疑問を持つ方がおられるかもしれません。
ベッドを蹴る運動は、寝返りの方向に体としては動いていきそうですよね。
この考え方に関しては一理あるところがあります。
しかし、ここで焦らず確認すべきことがあります。
それは患者さんが足でベッドを蹴らなくても寝返りができるか確認することです。
本来、効率の良い寝返りは寝返り方向に股関節が追従していくことです。
しかしベッドを蹴らなければ寝返りを行えない患者さんの中には、足で蹴っていくときに腰が反って(腰椎が伸展)しまい、脊柱起立筋の内圧が上昇し、緊張が高まることで腰痛になる場合が少なくありません。
更に腰にが反った状態で寝返ってしまうと、腹斜筋、腹直筋、腹横筋といった筋肉は働きにくくなってしまいます。
もし寝返りを確認し、股関節を屈曲、内転、外旋方向に誘導できないのであれば、前述した腹部の筋肉の筋力低下があり体幹を回旋させることができないのかもしれません。
もしくは腸腰筋、ハムストリングス、前脛骨筋といった筋肉の筋力低下が生じて、足を持ち上げることができないのかもしれません。
はたまた股関節の可動性の低下があるのかもしれません。
このように仮説が上がってくると評価の項目をリストアップしやすいですよ。評価を行い仮説が正しいか検証しましょう。
寝返りの運動方向に股関節が動いてるか見ていけばいい。
反対方向に動くって事は、何か理由があるで。
まとめ:寝返りの動作分析で患者さんの問題を明確にしよう
今回は寝返りの動作分析について解説しました。
寝返り動作は寝ているときに体圧を分散したり、起床してからはじめの動きになりやすいなど非常に重要な動きになります。
その寝返りに問題があれば、後々の動きにも問題が生じます。
寝返りを評価していくうえで必要なステップは以下の通りです。
誰しも楽に動ければそれに越したことはありません。
しかし患者さんの中には効率的な動きが何らかのの問題によって出来ない事が多々あります。
その動作を見逃さずに評価・治療へとつなげていくのが重要です。
そのためにはリハビリを提供する側が効率的な動きを知っておく必要があります。
左に寝返りを行うならば右股関節が屈曲、内転、外旋しているのか確認していきましょう。
この時寝返りの方向に股関節が追従せずにベッドを右足底で蹴るようなリアクションをしている場合は注意が必要です。
特に腰痛がある患者さんにはその動きが原因になっていることもあるので見逃さないようにしていきましょう。
以上、ユウセイでした。
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