こんにちは、ユウセイです。
理学療法士として、病院・施設・在宅と関わりを持ち、経験も10年以上になりました。
今は理学療法士としての治療と、考え方を日々発信しています!

うーん、足が重い、、
どうしたら、足が軽く動くようになるんだ?

えーと、足全体の筋力をつければいいのかな?

でも問題点絞らないと、どこも大事!って思って混乱するよ
自宅で生活しているけど、基本ベッドに横になっている方はおられませんか。
自宅に退院したばかりだと、座っているだけでも苦しい方もおられます。
そういった方々にとって、寝ている時の動きやすさは非常に重要です。
ベッド上での動きやすさは、睡眠の質にも関わりますし、疼痛の原因にもなります。
それは入院中の、患者さんでも同じです。
今回は寝ている時に、足が重たくて、動けない方への対応を解説します。
動作を確認する
動きのメカニズムを知る
治療する
動作を確認する
タケシさんの情報
頚椎不全損傷により四肢に麻痺あり
独居で寝たまま過ごす事が多い
ブルンストロームステージ上肢V 手指V 下肢Ⅳ
動作確認

両股関節の屈曲の際に下肢の重量感があります。
臥位の姿勢

膝を立てても、腰椎前弯、骨盤前傾しており、股関節近位部に、違和感があります。
腰椎前弯が生じ、骨盤が前傾している
股関節近位部に違和感がある
動きのメカニズムを知る

股関節の屈曲のメカニズムとしては、重要な点として腹直筋が働くことが非常に重要です。
Neumann DAらは腹直筋による十分な固定なしでは、股関節屈曲筋群の効率が悪く、骨盤は前傾する。過度の骨盤前傾は腰椎前彎を増強する¹›と述べています。
腹直筋が働く事で股関節屈曲を行う土台が出来、股関節屈曲を行えます。
皆さんも臥位で腰椎を前弯させ、股関節屈曲すると、重たい感じや詰まったような感じがしませんか?
股関節屈曲が、困難になっている理由として挙げられます。
吉尾らは股関節を133°屈曲した際に屈曲寛骨大腿関節平均70°、腰椎の動き・骨盤の後傾の動きが63°であった²›と述べています。
上記の知見から、動作を円滑にする為に、股関節屈曲する際に、腰椎後弯、骨盤後傾する事が重要と考えます。
引用文献
1)Neumann DA.筋骨格系のキネシオロジー.原著第2版,嶋田智明ほか(監訳),医歯薬出版,2012,534
2)吉尾雅春.健常成人の股関節屈曲角度の構成について.理学療法学.2005,Vol32 No2.
腹直筋が股関節屈曲を行うための土台
腰椎前弯・骨盤前傾は股関節屈曲を制限する
患者さんの姿勢・動作を評価する

タケシさんは腰椎前弯、骨盤前傾により、腹直筋の収縮が得られません。
腹直筋は剣状突起から、恥骨結合に付着しており、腰椎が日常的に前弯すると、骨盤が常に前傾します。
その為、筋肉が伸張されます。
竹井らは筋は引き伸ばされるほどアクチンフィラメントに接するミオシンフィラメントの頭部の数が少なくなり発揮できる筋力が弱くなってしまう³›と述べています。
上記の知見から、骨盤後傾する機会が減るうえに、腹直筋の筋力低下も生じ、股関節を屈曲する事が困難になります。
また股関節屈曲筋である大腿直筋、大腰筋は骨盤を前傾させます。
タケシさんは骨盤後傾出来ないのに併せ、屈曲しても更に骨盤前傾させる為、骨盤周囲に詰まったような違和感が生じたと考えます。
骨盤後傾出来ないと、大殿筋も伸張位をとなり、筋力が低下します。
骨盤の後傾を適切に促し、腹直筋・大殿筋の収縮を促す事が重要です。
腹直筋・大殿筋を働かせて腰椎後弯と骨盤後傾を生み出す
引用文献
3)竹井仁.正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書.ナツメ社.2015,82-100.
治療する
タケシさんは膝を介助では立てられました。
しかし自力で保持は困難でした。
そのため介助しつつ、膝から踵へ圧を加えます。

踵に圧を感じられたため、その圧をセラピストの腕でキープします。
キープしたまま、腰に手を当てがいます。
タケシさんの腰部で、セラピストの手を潰すように、押してもらいます。
その動作により、骨盤を後傾方向に誘導できます。

腹部に収縮が感じる事ができればより良いです。
タケシさんは腹部の収縮を感じる事ができました。
腹部の収縮を入れて、お尻を少しだけ持ち上げます。
大きく持ち上げすぎると、腰椎が前弯してくる場合があります。
必ず骨盤後傾し、腰椎後弯していくのを確認しながら、少し浮かせます。
踵に圧を加えて、腰椎後弯・骨盤後傾する
腹部に収縮を感じつつ、お尻を少し浮かせる
股関節屈曲を促す際は、「膝のお皿をおへそに近づけて」と具体的な部位を、伝えると代償動作が入りにくくなります。
背臥位で股関節を屈曲する際、遠位の関節から動作が行われる事が多いです。
足関節背屈が出る方であれば、背屈運動を促しながら、膝を屈曲すると上手くいきやすいです。

治療後足が軽くなったと喜んでもらえました。
特に何十年来の脊髄不全損傷による悩みであったため、喜びも大きかったのかなと推察しています。
このように足が軽くなるだけでも、非常に喜ばれますので、少しでもこの記事が皆さんのお役に立てば幸いです
動作を提案する時は部位を指定する
まとめ

今回は寝ている時に、足が重たくて、動けない方への対応を解説しました。
治療の手順は、以下の通りです。
動作を確認する
動きのメカニズムを知る
治療する
ベッドサイドの治療は、非常に考えることが多く、現状と先を見据えながら、対応していく事が求められます。
すぐに効果が現れることばかりでもありません。
しかしベッドサイドでのリハビリで、結果を出す事は非常に重要です。
新人時代、先輩から「いいセラピストは、ベッドサイドでのリハビリを見たら分かるよ」と言われた事があります。
最近になって確かにと、思うところもあります。
筆者もこの記事を書いていて、ふと思い出しました。
改めて頑張らねばと、この記事を書いていて、身が引き締まりました。💦
最後に
この記事を参考にされる際は、目の前の患者さんに、紹介した評価・治療が適応できるか、判断して頂いたうえで、使用して頂ければ幸いです。
患者さん一人一人、疾患、既往歴、身体的特徴等異なります。
そのため、今回ご紹介した治療は、万人に対して、再現性を担保できるものではありません。
それらを踏まえた上で、参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
以上、ユウセイでした。

Instagramで最新記事のお知らせをしています!是非フォローをよろしくお願いします。(koturiha_y.t)
コメント