
はぁ〜

どうしたんですか、ため息ついて

友人に背中が丸くなったねって言われたのよね

それは嫌ですね

なんとかならないかしら、、
最近、「だんだん猫背になってきて、見栄えが悪いのが嫌…」というお話をよく耳にします。
確かに猫背になると、周りの視線が気になったり、自信を持ちにくくなったりしますよね。
見た目の問題もありますが、理学療法士の視点から見ると、猫背のままでいることには多くのリスクがあります。
腰痛、誤嚥、床ずれなど、生活の質を下げる原因にもつながるため、姿勢を整えることは非常に重要です。
今回は、猫背になってしまう原因と、自宅でできるセルフケアについて解説していきます。
猫背になるのはなぜ?考えられる原因と体への影響

なぜ猫背になるのか?
結論をお伝えすると、猫背は楽に感じやすいからだと筆者は考えています。
しかし実際は体が楽な姿勢ではなく、楽と感じているだけです。
本来であれば、筋肉が支えていくべきところを靭帯、骨に負担を押し付けている状態ともいえます。

筋肉が休まる為、楽に感じることがあります。
しかし、その分靭帯や骨には負担がかかっていることも少なくありません。
ある日、突然背骨が痛くなったと感じた時には、今までの負担で症状で出ている。
そういった可能性もあります。
ここでお伝えしたいのが猫背が悪いというよりも、猫背で居続けることが良くないと筆者は感じています。
いつも猫背になって骨や靭帯に負担をかけるのではなく、筋肉も姿勢を支えていく。
この助け合いがトラブルを避けていく1つの方法だと感じています。
猫背をとってしまう理由が分かったところで、ケアに移っていきましょう。

ケアをご紹介する前に!
今回ご紹介するケアは腰や背中に強い痛みや強いしびれがない方を対象にしています。
もし現在腰や背中に強い痛みや強いしびれがある場合、ちょっと気になるなぁと感じる症状がある場合には、セルフケアを始める前に医療機関での評価を受けることをお勧めします。
ご自身の体を守るためにも無理せず慎重に取り組んでいきましょう。
姿勢を整えるためのケア方法|自宅でできる姿勢改善ストレッチ
もし肩に痛みがない方であれば、両肩を後ろに引きながら胸を張っていきます。
この時に肩甲骨と肩甲骨が寄るようにしていくと、背筋が伸びていくのを感じますか?
背筋が伸びていく感覚を大事にしながら行っていきましょう。
この時に一緒に腰が反りすぎてしまう方がおられます。

腰が反りすぎてしまうと、腰痛の原因になることがあります。
これは予防していきたいので、軽くおへそを引き込みながら、肩を後ろに動かして胸を張っていきましょう。

その姿勢で息は止めずに5秒間保持。
元の姿勢に戻す。
一日の中で何度か繰り返して、背筋を働かせていきましょう。
もし肩が痛い方であれば、胸の前に手を持ってきてみぞおちに皮膚を集めます。

そこから深呼吸。
息を吸った際に、みぞおちに集めた皮膚を両手で引き上げるようにすることによって、背筋を起こしていきます。

そしてしっかり伸びきったところで、息は止めずに、その姿勢を5秒間止めてみましょう。
5秒たったら緩めて元の姿勢に戻っていく。
※みぞおちに皮膚を集める理由については以下の知見を参考にしております。
皺を左右から剣状突起方向に誘導し,さらに体幹上部前面皮膚を上方へ誘導すると,体幹伸展が行いやすくなる。
山口三國・福井勉・入谷誠.結果の出せる整形理学療法 運動連鎖から全身を見る.株式会社メジカルビュー社.2009,89.
もし上記の訓練で余裕が出てきた場合、更に背筋を鍛えたい方のためにご紹介します。
しかし負荷が高いため、これが出来なければ駄目という訳ではありません。
訓練が合うか、慎重に行ってみてください。
まず仰向けになります。この時に痛みが出る場合は中止しましょう。
仰向けに寝ることができたら膝を立てましょう。
膝を立てた状態で両肘で床を押すようにしていきます。

その時に肩甲骨と肩甲骨の間の背骨を反らせていくようなイメージで持ち上げていきます。

この時に必ず無理をしないようにゆっくり、ほんの数センチ、何なら持ち上がっていなくても構いません。

上記の図の、赤丸で囲った部分の筋肉が、働くような感覚を得られるようにケアしてみてください。
それだけでも効果があることがあります。
決して無理をしないようにゆっくりと肘で床を押し、胸を張るようにしながら、背中の筋肉を働かせてください。
ゆっくりこのケアを行っていく理由
この練習は少し負荷が高めです。
肘で突っ張って胸を張る時に、ゆっくり行ってもらう理由としては、、
自分には合わないかも。と感じられた時にすぐに中止するためです。
無理して背中を持ち上げて、痛めてしまっては非常にもったいないことです。
必ず自分に合うケアかどうか、確かめるためにゆっくり行ってください。
また慣れた時でもゆっくり行ってください。
早く動かすことが目的ではなく、背中の筋肉に働きかけることがポイントなので、その点は充分注意して練習してみてください。
まとめ

今回は、猫背になってしまう原因と、自宅でできるセルフケアについて解説しました。
「猫背にはなりたくない!」「猫背にならないように気をつけている!」――リハビリの現場でもよく耳にします。
それでも、友人から猫背だと言われて落ち込んでしまうこともありますよね。
私自身、猫背になること自体は仕方のないことだと思っています。
しかし、猫背の姿勢を続けてしまうことが良くないのです。
毎日ほんの少しでも、猫背でない時間を意識して作ってみてください。
それだけでも、体にとっては大切なリフレッシュの時間になります。
ぜひ無理のない範囲で、今日から取り入れてみてくださいね。
🔗 関連記事はこちらもおすすめです
✅ 体が硬い…そのままで大丈夫?理学療法士がリスクと対策を解説
柔軟性の低下や筋バランスの崩れは、猫背の原因にもなります。体の硬さを改善することで、姿勢を整える第一歩になります。
✅ 首が反れない原因とは?自宅でできる改善方法を理学療法士が解説
猫背は首の動きにも影響します。頸部の可動域を広げることで、上半身全体の姿勢改善につながります。
✅ 腰が痛いのは歳のせい?理学療法士が姿勢から読み解く原因と改善策を解説【CASE7】
臨床的な視点から、猫背や反り腰など姿勢の崩れが腰痛に与える影響を解説。姿勢改善を目的とした評価やアプローチの参考になります。
最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を参考にされる際は、決して無理をせず、痛みのない範囲で取り入れていただければ幸いです。
なお、疾患・既往歴・身体的な特徴は一人ひとり異なります。
そのため、本記事の内容がすべての方にとって効果的であるとは限らず、改善や予防を保証するものではありません。
また、当サイトの情報を参考にされたことで生じた損害等について、当方では責任を負いかねますことをご了承ください。
それらを踏まえたうえで、ご自身の判断で無理のない範囲で活用していただければと思います。
以上、ユウセイでした。

noteでは、臨床での学びや日常で感じたことも発信しています。ぜひ気軽にご覧ください。

Instagramで最新記事のお知らせをしています!是非フォローをよろしくお願いします。
コメント