こんにちは、ユウセイです。
理学療法士として病院・施設・在宅と関わりを持ち、経験も10年以上になりました。
今はその経験を活かして理学療法士としての治療と考え方を日々発信しています!
寝返りの動作って一瞬で終わってしまうので、何を見れば良いのか分かりませんよね。
そうだね。動作を完璧に分析するのは10年してても難しい。
だけど寝返りを見る時に、自分の中でポイントを抑えておくといいで。
今回は寝返りの動作を観察する時に見るべきポイントについて解説します。
動作観察は見たままを記載します。動作分析は動作観察の動きがなぜ起きているのか、他の客観的評価(0)を交えて考えていきます。
動作観察の際に見るポイントが分かると、どこを評価すれば良く、どう治療につなげていくのか目星をつけることが可能になります。
肩関節の動きを見ることで寝返りを分析できる
寝返りを分析していくために必要なステップは以下の通りになります
肩関節の動き方を理解する
肩関節には8種類の動きがあります。
この動きを覚えることで肩関節のどの方向に問題があるのかを推察することができます。
とても大事な動きですので覚えておくと良いですよ。
負担の少ない寝返りを考える
負担の少ない寝返りを考えるにあたって、重要なポイントは寝返りの運動方向に対して、肩関節が追従しているかが重要になっていきます。
つまり、左に寝返りを行う場合は、右の肩関節は屈曲、水平内転方向に動いていくことが必要になります。
この動きが出ることによって、左側への寝返りを行うために必要な上半身、上部体幹の動きを出すことができます。
上部体幹には大きな重量をもつ胸郭もありますので、上部体幹が左側に動かすことができれば自然と寝返りを行いやすくなるでしょう。
肩の動きが寝返り方向に追従しているか確認する
問題の動きとして多いのが、肩関節が屈曲、水平内転しない場合です。
このパターン。肩が後ろに引けてるのわかるかな?
このような動きになった時は、是非ピンとくるようにしましょう。
本来であれば肩関節は屈曲、水平内転するとお伝えしました。
しかしこの動きは寝返りと逆方向に動いています。
動きとしては伸展、内転、外旋方向ですね。
これでは寝返りをうまく行うことが出来ません。
ただ患者さんも好き好んでこの動きをしているわけではありません。
寝返りの方向に肩を動かした方が楽になるはずです。
しかしその動きをすることができないと解釈すればおのずと評価をしていく必要性が生まれていきます。
例えば、肩関節の屈曲、水平内転のどこかが可動域制限を起こしていて、その動きができない場合も考えられます。
もしくは右の肩関節の感覚が低下しており、肩関節の位置を理解できていない可能性も考えられます。
はたまた筋力が足りず、寝返りの方向に右肩を動かすことができないのかもしれません。
このようにポイントを押さえておけば、おのずとその動作ができないのはなぜかという思考になるため、評価が浮かび上がりやすくなります。
もし寝返りをしているときに、このような動きが見られた場合はぜひ見逃さないようにしてください。
知っておきたい!肩の痛みについて
寝返りの際に肩が後ろに引けてしまうことで動作を行いにくくなることをお伝えしました。
しかしこの動きが推奨できない理由としては疼痛につながる可能性があるからです。
肩関節の構造ですが、伸展、内転、外旋をしたときには烏口上腕靱帯、上腕二頭筋、棘上筋(前部線維)、肩甲下筋には伸張されるストレスがかかります。
上記の運動を寝返りの度に反復してしまうと伸張のストレスと摩擦のストレスによって炎症を生じやすい特徴があります。
そのため寝返りの方法を工夫することで方の痛みを予防することも出来ますので、ぜひ知っておいてください。
まとめ:寝返りの動作分析で患者さんの問題を明確にしよう
今回は寝返りの動作分析について解説しました。
寝返り動作は寝ているときに体圧を分散したり、起床してからはじめの動きになりやすいなど非常に重要な動きになります。
その寝返りに問題があれば、後々の動きにも問題が生じます。
寝返りを評価していくうえで必要なステップは以下の通りです。
誰しも楽に動ければそれに越したことはありません。
しかし患者さんの中には効率的な動きが何らかのの問題によって出来ない事が多々あります。
その動作を見逃さずに評価・治療へとつなげていくのが重要です。
そのためにはリハビリを提供する側が効率的な動きを知っておく必要があります。
左に寝返りを行うならば右肩が屈曲、内転、水平内転しているのか確認していきましょう。
この時に肩関節が寝返り方向と逆に引けるようなリアクションをしている場合は注意が必要です。
特に痛みがある患者さんにはその動きが原因になっていることもあるので見逃さないようにしていきましょう。
以上、ユウセイでした。
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