リハビリ中に足首に神経痛! どうすればいい!?

失敗談

こんにちは、ユウセイです。

理学療法士として病院・施設・在宅と関わりを持ち、経験も10年以上になりました。

今はその経験を活かして理学療法士としての治療と考え方を日々発信しています!

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

足首を持ち上げてみましょう!1.2.3!

タケシ(仮名)
タケシ(仮名)

なんか今、足首を持ち上げた時に足の甲がピリッと痛かったな。

・・・あれ、動かすと痛みが続くぞ、、

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

え!?大丈夫ですか。どうしたらいいんでしょう。

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

一回落ち着いて、状況を整理しような。


今回は、足関節の背屈運動を訓練していた際に突然起きたケースです。

足関節の背屈運動は日常生活には欠かせない運動となりますが、その分疼痛制限が生じると患者さんの日常生活に支障が出ます。

今まで出来たことが出来なくなる、そういったことも考えられます。

更に訓練中に出現した疼痛となれば、患者さんのモチベーションにも影響することがあります。

今回は足の甲になぜ疼痛が出現したのかについて詳しく解説していきます。

今回の記事でわかること

疼痛が生じた姿勢は必ず確認!

評価に必要な解剖学知識

疼痛を抑えるために必要な治療

疼痛が生じた姿勢は必ず確認!

姿勢を確認していくと右膝が外反位であり、大腿の内旋・下腿の外旋が確認されました。

座位の状態で股関節を外転・外旋してもらおうと提案しても抵抗をかけると動作を行うことが出来ませんでした。

正式な検査ではありませんがアライメントと抵抗運動で大殿筋の筋力低下が示唆されます。

タケシさん 座位姿勢

次いで問題となる背屈動作を行う際には大腿の内旋と下腿の外旋の動きが強まっており、足背に疼痛を訴えています。

タケシさん 背屈動作

10年目ユウセイ
10年目ユウセイ

アライメントの崩れが見られるね!

右膝が外反位している(大腿の内旋・下腿の外旋)

背屈動作の際に大腿内旋・下腿の外旋が強まっている

評価に必要な解剖学知識

腓骨の後方には総腓骨神経と分岐した浅腓骨神経が通過しています。この神経は足背まで続いており、足背の感覚を担っています。

足関節を背屈する時の腓骨の運動としては腓骨は脛骨に対して後方に変位します。¹›

アライメントの崩れがなければ問題は生じにくいのですが、今回のタケシさんの場合では膝関節が外反しており大腿が内旋、下腿が外旋しています。

このことから腓骨がすでに後方に偏位しており、この状態から足関節を背屈することによって運動学上腓骨が更に後方に偏位するため浅腓骨神経を圧迫し、足背に症状が出現していると考えられます。

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

アライメントの崩れが神経を絞扼しているかも!

腓骨の後方に浅腓骨神経があり、アライメントの崩れで足背に疼痛・違和感が出現する

参考文献

小林匠.足部・足関節の機能解剖学的特性からみた理学療法実践.理学療法.2020,37巻3号.246-266.

疼痛を抑えるために必要な治療

疼痛を改善するために必要なことがアライメントの修正であると仮説を立てました。

仮説が正しいかを確認するため、大腿を外旋方向・下腿を内旋方向に優しく、少しずつ誘導していきます。

その状態で足関節の背屈を行なった際に疼痛が軽減するかを確認します。

疼痛が減弱・改善する場合はアライメントの調整を行うことによって疼痛を改善が期待できると方針を立てることが出来ます。

この時に膝周囲に疼痛・不快感が生じる場合は必ず中止してください。

1年目ユウセイ
1年目ユウセイ

アライメントを調整して疼痛がないか確認すると良いんだね!

アライメントを修正しながら踵を床に押し込むように訓練をしていきます。

この時に足関節が底屈しやすいですが、背屈してもらったまま押してもらうことで大殿筋の収縮が得られやすくなります。

大腿を外旋方向に誘導するために大殿筋の収縮を促します。

また大腿四頭筋の活動も促すことが出来るため膝周囲組織の緊張も整えることが出来ます。

上記の治療を行った後は足関節を背屈しても疼痛が改善しました。

アライメントを優しく、少しずつ修正して不快感が出ないかを確認する

不快感が生じないようであれば踵で床を踏んでもらい収縮を得る

まとめ

今回は姿勢が原因で起きる足背の疼痛に関して詳しく解説しました。

姿勢が関与している足背の疼痛に対して以下のような流れで考え治療しました。

今回の治療の手順

疼痛が生じた姿勢は必ず確認!

評価に必要な解剖学知識

疼痛を抑えるために必要な治療

今回膝関節のアライメントが崩れたことによって、足背に疼痛が生じていました。

アライメントが崩れているところに更に腓骨の後方偏位によって浅腓骨神経が絞扼されたものと考えます。

そのため大腿外旋・下腿内旋を誘導しアライメントの修正を促しました。

その結果浅腓骨神経の絞扼が改善し、足関節背屈時の疼痛が改善したと考えられます。

アライメントを整える際に不快感が出る場合は必ず中止して再評価することも重要です。

最後に

この記事を参考にされる際は、目の前の患者さんに紹介した評価・治療が適応できるか判断していただいた上で使用して頂ければ幸いです。

患者さん一人一人、疾患、既往歴、身体的特徴等異なります。

そのため、今回ご紹介した治療は万人に対して、再現性を担保できるものではありません。

それらを踏まえた上で参考にして頂ければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

以上、ユウセイでした。

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